カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

業界別インタビュー

2014年12月30日

カスタマーファーストの意識で、カンボジアの発展に貢献できる企業作り[建設・内装]洪哲秀

建築・内装

S.I.C.S.デベロップメント S.I.C.S. Development Co.,Ltd.
プレジデント: 洪 哲秀 Ko Tetsuhide
タイルカーペットの世界No.1シェアを誇る、インターフェイス社のカンボジア、ミャンマー、ラオスの総代理店S.I.C.S.デベロップメント。高い品質と数多くの実績から、企業の信頼も厚い。丁寧な内装工事と工期の遵守をモットーに、カンボジアに根付いた会社作りを志しているプレジデントの洪哲秀氏に、現地での取り組みについて伺った。
市場の規模と現状

私たちが過去に携ってきたマーケットと比較すれば小さいのですが、ASEAN統合を視野に入れて考えれば、潜在的な可能性はあると思っています。ここに拠点を置いてよかったと思っています。日本と比較してもパイはちいさいですから、小さいパイの取り合いになります。日本で100取れるところでも、ここでは競争して取れるのは2~3個ですが、それでも東南アジアの実情に合わせた経験と実績を着実に積むことが大切だと考えております。

ヤンゴンやハノイでやってきたノウハウを活かし、日本式に工期をきちんと守っています。ここでは納期を守ることは難しいのですが、現地パートナーといかにやるか、現地労働者をいかに管理するか次第で、決して不可能なことではありません。現場の監督を絶対置かなければなりません。現地の人ではなく、ノウハウを持った、見る目のある、それなりの人を置かなければ難しいでしょう。スケジュールを把握し、進行管理と指導のできる人を置かなければ無理です。

まずいいパートナーを選ぶことです。東南アジアに拠点を置いて、トップの経営者がカンボジアで本気で事業をやっていこうという人でなければなりません。弊社のパートナー、TKOKはプノンペンはじめシェムリアップやバッタンバンなど、カンボジア全土で様々な仕事に携っており、カンボジアで7年という実績と人脈が培われています。

内装をする場合の注意点ですが、この国の実情を考えてするべきです。限られた予算で品質を守るか、納期を守るか。そして現地のスタッフには厳しさと思いやりで接し、やる気を持っていける環境を心がけています。ただ任せるだけだと無理です。現場で具体的なアドバイスをしてあげることが大事です。現場がなにより大事です。

よい内装会社を選ぶコツは、実績を見て、価格、工期、質を考えて選ぶことです。その会社の実績を見て判断することも大切です。価格だけで選ぶと、納期に間に合わない、追加料金が発生するなどということが起こるためです。

現地での取り組み

工期は平米数にもよりますが、仮に2か月とか決まれば、スタートしてから工期までの間、現場監督はノウハウと経験のある人材を置かなければなりませんし、現場監督はローカルの言葉を使うことでワーカーとよくコミュニケーションがとれるようでなければならなりません。現場の人はローカルの言葉のできる人でないと、コミュニケーションが大事ですから。

私たちの会社が他社と違う点は、「工期を厳守する」ということです。よく内装工事の方は、日本と違うから工期が予定より遅れる、余裕を見なければなりませんと言いますが、私たちから言えば、それはただの言い訳です。同じ価格でいかにきっちり仕事をするかということです。安いかわりに工期が遅れるという会社は、ローカルでも日系でもいくらでもあります。わたしたちのモットーは、現場管理をしっかりして、希望の納期を守る。限られた期間できっちりやるという、そこが他社との違いです。

商材のクオリティが高いこと、また、床材だけでなく、デザイン性を重視した、品質の高い仕上げをし、お客様に良いものを提供します。100%お客様が求めるものを作ります。それが我々のプライドです。出来上がりを見てもらったときの手直しは少ないかと思います。途中のチェックポイントで100%の手直しをしています。もし、余分に経費がかかってしまっても請求はしませんし、リピーターにもなって頂けます。工期の過程で厚い信頼関係を築くことができます。

資材と内装一筋なので中途半端なことはしません。プライドを持って仕事をしています。お金だけの仕事をしていません。出来上がったものが我々の作品となって、それが我々の評判にもなりますから。

カンボジアの場合、資材のほとんどは輸入です。ただし、タイやベトナムから輸入する際に、価格交渉して、商社から買うのでなく現地のメーカーや代理店を通して、できるだけ安く仕入れています。それでも限度がありますから、良いものであればあるほど、コストもかかりますので、いかに下げるかが今後の課題になります。ASEANが経済統合されることにより、人と物の流れが変わり、関税が今よりも下がることで多少は解決できることを期待しています。

現地に根付いたビジネスを展開

個人でのビジネスには限界があります。やはりチームが大切です。これまで出会ってきた仲間たちとともに、繁栄するための事業をやっていきたい。一緒に事業をして、一緒に利益を出して、一緒にハッピーになる。それが目的です。何らかの形で協力して、一緒に発展していきたい。そして個人もハッピーになる。それがここに来た意義だと考えています。

カンボジアでの事業には、長い目でみることが大事です。短期の利益ばかり見ていたら撤退の憂き目にあうでしょう。分野によって粗利率が低いですが、先行投資だと思っています。少なくとも3年は我慢するつもりで、覚悟しなければなりません。なので、今は土台作りと人脈作りの時期と捉えています。

ASEANの経済統合も視野に入れ、将来的には不動産開発、サービスアパートメント、コンドミニアム、ブティックホテルなど、今後ニーズのある建物を企画して開発する、日本で言うデベロッパーというポジションでいけたらと思っています。

一番大事なのはこの国に貢献したいということです。カンボジアの建設業界で品質の高い建物を作る、個々の建築やデザインのレベルを上げたい、そしたらカンボジアの人がもっといい住環境で暮らせます。自分が今まで韓国と日本で培ったものをすべて提供して生かし、この国のレベルを上げたい、この国に役立つことをしたいというのが大前提です。それでなければこの国に来た意味はありません。自分だけ利益を上げるなら、日本でやっていたほうがいいのです。単に利益だけの追及ではないのです。

自分のこれまでの知識と経験でチャレンジするということ。チャレンジ精神がなければカンボジアに来る意味はありません。今までの経験をすべて集約して、どこまでやれるか、やれるところまで頑張ってみようと思います。

カンボジアに進出する企業の多くは、コストや人件費の安さを重視していますが、これからもそういう時代は続くと思います。しかし、これから東南アジアに進出する企業には、技術力、経験、品質管理、そういったノウハウを、これから経済発展しようとするカンボジアで何か役に立つような、この国の人たち共に繁栄できるような、そういった気持ちで来てほしいと思っています。もちろんコストも大切です。でもそれだけでない付加価値、この国とともに繁栄するという気持ちで来てくれたらと思います。これから経済が発展する東南アジアには、チャンスは限りなくあるからです。(取材日/2014年7月)


S.I.C.S.デベロップメント S.I.C.S. Development Co.,Ltd.
事業内容:タイルカーペットの世界No.1シェアを誇るインターフェイス社のカンボジア、ミャンマー、ラオスの総代理店
URL: http://sicsdt.com

その他の「建築・内装」の業界インタビュー

人気記事ランキング