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業界別インタビュー

2016年5月12日

カンボジア人材は忍耐力とルールの明確化が必要(後編)[人材]サンドラ・ダミーコ(2/2)

人材・コンサル

HRインク HRinc
副社長: サンドラ・ダミーコ Sandra D’AMICO
2005年創業、100名以上のスタッフを擁し7万人の求職登録を誇るカンボジア最大の人材会社、HRインク。カンボジアのほかミャンマーに進出もした。人材紹介のほか、アウトソーシング事業部門を加えると700名のスタッフを擁する。また、人材育成面では、日本のハローワーク的な存在である、NEA(国家雇用機構)とも長らく提携している。そんなHRインクの副社長、サンドラ・ダミーコ氏に、カンボジアの人材について伺った。(2015年10月取材)
海外で働くことが悪いことではない

前回からの続き
―――出稼ぎに出かけるカンボジア人について、どう思われますか

サンドラ・ダミーコ(以下、ダミーコ)  タイなどへの出稼ぎは魅力的に見えるかもしれません。特に現在のタイの最低賃金の高さは異常ですから。タイの経済への悪影響もあるようですね。どれだけの出稼ぎ労働者が合法で働いているのかはわかりませんが、その多くの人がお金目当ての出稼ぎかと思います。

 今後、カンボジアで製造業が参入してきたときにそのような人材が国に戻って働くことを望んでいます。かといって海外で働くことが悪いことだとは思いません。外貨を稼ぎ国に持ち帰り、それで支えられる家族もいるわけですから。今後ASEAN統合で益々そのような人が増えるかもしれません。とにかく教育を受けて、今後は母国でそのスキルを生かせるようにしてもらえたらと思います。

No.1人材会社である理由

―――ところで、HRインクが最大の人材会社であるポイントとはなんでしょうか。具体的な強みを教えて下さい

ダミーコ  まず人材紹介としては、月間1200位の面接をこなしています。それゆえに我々はカンボジアの労働市場を熟知していると思います。マクロ的にも作戦術的にも細かいところまで理解していると思います。国際企業との付き合いも多いですし、農業関係や政府関係との付き合いもあります。

 幅広く知識があると思います。また我が社や関連企業で働いてきた人が現在ではマネジメントに入ってきていますので、それも強みですね。更に法律や各種ルールを順守することに妥協しません。我々はそのような情報も細かく顧客にシェアしますので、顧客からすればここまで細かに対応してくれる会社というのは稀なのではないかと思います。

 我が社は100名以上の従業員とアウトソーシングで500~600名います。求職者登録数で言えばスキル人材で2万人ほど、その他一般人材は4万~5万人でしょうか。そのうち95%がカンボジア人です。我が社の人材データベースの違いは大卒人材ではなくきちんとしたスキルのある人材を集めているという点だと思います。

日系企業へのメッセージ

―――進出予定のある日系企業に何かメッセージをお願いします

ダミーコ  ぜひ、カンボジアへの展開をお願いします。日系企業の投資を期待しています。日系企業は規律がきちんとしている分、カンボジアでは苦労するかもしれません。忍耐力とルールなどの明確化が必要かと思います。日系や中華系、韓国系企業で働いた経験のある人と話していますと、最初は日系企業の厳しさについて行くのが大変だと皆言います。しかし働いているうちにその良さが伝わるのか、働きたい企業のナンバーワンになっています。こちらで展開するにあたり、日本のやり方を理解するマネジメントを作り上げることはとても重要です。

 またスタッフに日本を体感させることも大事です。日本人が多すぎる等通訳を多く介在させている会社の場合、問題に直面するかもしれません。成功させるコツはカンボジア人中心のマネジメントチームを作り上げ、彼らにスタッフの育成をさせることだと思います。その際もスタッフに日本流を体感させることを忘れてはいけません。

 また、暮らす場所としてもいろんな食を体験できる最高な場所だと思います。日本政府も日本の若い起業家が海外(カンボジア)に出ていくことを促進してほしいです。日本の食品関連の会社は素晴らしい会社が多くありますから。とにかくより多くの日系企業の進出をお待ちしています。


HRインク HRinc
事業内容:人材紹介、アウトソーシング、人材育成など
URL: http://www.hrinc.com.kh/
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