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2015年7月12日
カンボジア進出ガイド

【金融・保険】

031 カンボジアの金融・保険③(2015年4月発刊 ISSUE02より)

■ マイクロファイナンス Microfinance

(030 カンボジアの金融・保険②からの続き)
 カンボジアマイクロファイナンス協会(CMA)の統計によれば、カンボジアで現在、ライセンスを所有しているマイクロファイナンス機関は39社で、国内に約1170店舗。2014年の債権者の数は177万人で、貸付残高は2,028百万ドルに達している。また預金が可能なマイクロファイナンス機関は7社あり、預金者総数約100万人、預金総額895百万ドルとなっている。2013年の預金総額は445百万ドルで、貸付残高は1,250百万ドルとなっており、2014年と比較すると貸付残高が50%も伸び、預金総額は100%も伸びていることが分かる。中堅・中小企業や個人にとって、今後もビジネスを成長させるチャンスとそのための資金需要があると考えられ、2015年は、2014年と同等の伸び率になると予想されている。
 マイクロファイナンス大手のひとつサタパナ・マイクロファイナンスのブン・モニー氏は「カンボジアにマイクロファイナンスが入ってから、約20年が経ちましたが、その間に多くのマイクロビジネス、個人事業主を助けてきました。39社の認可機関には、大きいマイクロファイナンス機関が10社あり、全体の90%のシェアを持っており、さらにこの10社の中の4社で70%のシェアを持っています。中堅・中小企業には更なるビジネス成長を期待しており、彼らにとって良きパートナーとなるため私たちも努力しなければなりません。マイクロファイナンスの目的は貧しい国民を助けること、彼らの生活を変えていくことです。カンボジアは年間1,000ドル程度のGDPしかなく、最貧国の中の一つですが、そこから抜け出せることを願っています」。

一方、ソナトラ・マイクロファイナンスの永田哲司氏は「マイクロファイナンス機関は言葉の通り、商業銀行が相手をする大手ではなく、中小企業家や個人に対する融資をするものです。ただし、ここはローンのレンジが多岐に渡っていて、プラサック、アムレット、サタパナ(※各々マイクロファイナンス機関の一つ)などは農村地にも貸していて、平均すると500~2,000ドル位です。これこそマイクロファイナンスだと思いますが、我々は2万5,000~3万ドル位のレンジです。決してマイクロとは言われず、中小企業金融になります」。また業界の問題点として、無免許での融資活動を行っている融資機関(闇金融)の問題があり、ソナトラの永田氏は「中央銀行認可機関ですと、毎月レポートを提出するのですが、法による金利上限は無いものの、中央銀行からの指導が入ります。しかし、一部の闇金融機関など、暴利をむさぼる為、高い金利をお客様に要求し、社会問題化させてしまっております。その影響により、業界全体が一色単にされ、マイクロファイナンス機関全体が暴利を貪る悪徳機関としてお客様に認識されてしまうリスクが生じてしまっています」と付け加えている。
(032 カンボジアの金融・保険④へ続く)


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