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  • 経済
  • 2015年4月27日
  • カンボジアニュース

伸びない売り上げに撤退組続く – プノンペン・イオンモール -[経済]

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 2億ドルを投じて建設されたイオンモールがオープンして10ヶ月が過ぎたが、今月までに少なくとも7店舗が撤退した。多くのテナントは予想外の集客の低さや隣接駐車場の建設の影響、本店の倹約ぶりなどを理由に挙げている。イオンに情報公開を求めたものの、モールからの撤退店舗の具体的公開はなかった。しかし出店関係者へのインタビューを通じて少なくとも7店舗の撤退が明らかになっており、そのうち6店舗は2月以降の撤退となっている。

 撤退した店舗はブラウン(Brown)カフェグループのフォックス・ワイン・ビストロ(Fox wine bistro)、シンガポールと現地CBMとの合弁会社でレストランを運営するミャムミャム(MiamMiam)などがあげられる。他にもシンガポール系のヤクンカヤ(Ya Kun Kaya Toast)、串揚げ串匠、パオパオ(PaoPao)、カンボジアのアパレル会社エスパダ(Espada)、そしてハイエンド家電を展開するアマダナ(Amadana)である。さらにエリックカイザー(Eric Kayser)はテラスアベニューに展開しているレストランを今月いっぱいで閉店し、モール内のショップのみに絞るとコメントした。

 イオンモールはソテアロス通り沿いの一等地に総床面積10万平米を有し、昨年6月にはフンセン首相や岸田外務大臣はじめ日カ両政府関係者を招き盛大にオープンした。4階建てのモール内に190の店舗、7スクリーンの映画館、スケートリンク、テレビ局やフードコートが展開されている。イオンモールでは市内のショッピングモールには無いようなアトラクションも組み込まれ、カンボジアにおける消費経済の向上に貢献すると言われていた。

 モールのあるエリアは今後のカンボジアにおける開発のポテンシャルの高さをアピールできる場所だとオープン当時にフンセン首相は述べた。しかしイオンモールが発表するオープン以来の入場者1200万人の数字と、テナントへのインタビューから様々な誤差や課題が露呈している。

 FOXグループのChang Bunleang氏はモールへの入場者は多いものの飲食店を利用する人が少ないとコメントし、原因はイオンの周辺環境にあると述べた。「モールに足を運ぶ人は多いものの、消費行動を観察していて気づいたのは飲食店で消費する人が極端に少ない、特にテラスアベニューはその影響が顕著だったため撤退を決めた」と同氏は電話インタビューに答えた。「私どもの調査では近隣諸国や他の都市などのモールを見ても、モール単独というのは少ない。常に周辺にオフィス街があり、ランチタイムや退勤後モールに寄る人も多い」と述べ、「プノンペンのイオンは周辺にオフィス街も無く、ほとんどの入場者がわざわざ出かけてくる場合が多い」と感想を述べた。

 カンボジア・エリックカイザーのAlex Matcheret氏は、モール内も場所によっては通行者数も多いところもあるが、テラスアベニューに関しては周辺と比べても人が少ないと話す。「客足を観察していると、テラスアベニューを通過せずにモールのエントランスから入場していることがわかります。イオン側としても客の動線を変える努力をするべきではないかと感じます」と述べた。同氏はイオンの飲食部を閉店した上で7月をめどにヴァタナックタワーへの出店を準備していると述べ、最近始まったテラスアベニュー隣接地の駐車場増築工事も少なからず影響を出していると付け加えた。「今頃駐車場の増築を始めたものだから、テラスアベニューのレイアウトも変わりつつある、それは客のアクセスの良し悪しにも影響するのでは」と工事に対して疑問を呈した。

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(週末のイオンモールのテラスアベニュー、エリック·カイザーのレストランは空席)

 オリジナルステーキハウス(Original Sreakhouse)オーナーのJean-Pierre Muselli氏は12月に増築工事が始まって以降明らかに客足が鈍るのを感じており、売上も落ちているとメールでインタビューに答えた。「工事が始まってから平均40%の減少です。今まで店の隣接地に駐車できたものがそれができないために違う店を選ぶことも多いようです。商売として利益を出し始めていたものが、現在は赤字に転じています」と話す。

 飲食店の売上についてはテラスアベニューに限ったことではないと、ミャムミャムを運営するCBMのChy Sila ゼネラルマネージャーは述べた。今月初めに閉店した同店は3階に店を構えていた。「ミャムミャムが閉店した理由としては客の懐具合と実際の客単価にあまりにも差があったからです。ロケーションを間違えたと考えています。当店は日本的要素のあるフレンチカフェをコンセプトに客単価$12-$15を予想していましたが、現実的には$10以下でした」と電話で答えた。

 来店していた地元の高校生は、自身の経験上地元の人の多くは地階のイオンが展開するフードコートのオプションに人気があるとインタビューに答えた。「館内には各国の選択肢があるかもしれませんが、私たちも多くのお客さんも地階のフードコートを選んでいるのではないでしょうか。カンボジア人好みのメニューが多いですし、何より価格も手が届きます」と述べている。

 イオンモールプノンペンの矢島誠ゼネラルマネージャーは、「撤退する店舗が出てきたのは大変残念ですが、モール運営の中では自然な流れです。消費者の需要が第一になりますので店舗の入れ替えがあることは想定内と考えています」とメールで答えた。その後の工事や店舗配置のクレームについての追加質問についての答えはなかった。カンボジアホテル協会のLuu Meng氏は、「イオンが指標になるだろう」と述べ、イオンの成功がカンボジアの今後の消費動向及び開発を左右していると話した。同氏は3階のワールドフードコート及び地階のKhemaのシェアホルダーでもある。「もしイオンが成功しないようなら、今後の投資は足踏みになるかもしれない。しかし改善するようなら更なる投資を考えている」とコメントした。

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